2007年01月02日

イノセント・ボイス〜12歳の戦場〜

■文部科学省 特別選定作品
■2005年アカデミー賞外国語映画部門メキシコ代表作品
■ベルリン国際映画祭 最優秀作品賞受賞 <児童映画部門>
■ぴあ 観客満足度 堂々第1位獲得!!

 ここ数日、夫が借りてきたDVDを何編か観ていたのですが、『イノセント・ボイス〜12歳の戦場〜』は素晴らしかったです。 エルサルバドルの内戦が、少年の目を通して描かれているのですが、経験した本人(オスカー・トレス)が脚本を書いているだけあって、自分がその場にいるかのようなリアリティーのある作品でした。まずは、DVDの[内容解説]を以下に引用します。
■実体験を綴った真実の物語。まさにエルサルバドル版『CITY OF GOD』だ。ある青年の手によって書かれた一本の脚本が、映画人たちの心を強く揺さぶった。1980年代、激しい内戦下の中米、エルサルバドルで少年時代を過ごしたオスカー・トレスは、13歳でアメリカへ亡命するまでの記憶を脚本にしたためた。あまりの衝撃的な内容の本作は、世間に波紋を呼ぶと共に、感動の涙を誘った。
■STORY
1980年、エルサルバドルでは、政府軍と世界恐慌によって仕事を失った多くの貧しい農民を中心に結成された反政府組織FMLNとの内戦下にあった。11歳の少年チャバに残された子供時代は、刻々と終わりに近づいている。なぜなら、政府軍は12歳になる少年たちを"兵士"として徴集してしまうからだ。家の中にまで舞い込む銃弾の嵐、屋根に隠れて徴兵を免れる日々・・・。しかし、チャバの目から見た日常は辛いことばかりじゃない。友達や好きな女の子との楽しい時間、大好きな母や家族との大切な暮らしがある。日ごとに激しくなる襲撃の中で12歳の誕生日を迎えたとき、チャバはある決断をする。家族を守るため、そして生きるために・・・。
 
特典映像によると、現在30代になるオスカー・トレスは撮影に入ってから過去を追体験することで、忘れていた細部を鮮明に思い出し脚本に書き加えていったそうです。

また、主人公チャド役のカルロス・パティジャも3,000人の中から選ばれただけあって、演技とは思えない子供らしい自然体で演じていました。もっとも、体験のない子供たちに、いかに戦争を実感させるかで監督はいろいろ心を砕いたようですが…。

この内戦によって7万5千人以上の人々が虐殺されたそうですが、国名のエルサルバドル(El Salvador:スペイン語)が、救世主(salvation)だとは、なんとも皮肉な話です。

頻繁な銃撃戦で友達や知り合いが死んでいく中であっても、子供というのは毎日の生活の小さなことに喜びを見いだして遊んだり笑ったりする、そうした場面があるので重苦しさを感じさせない映画になっていました。父親に捨てられても、非常な貧しさの中にあっても、けなげに前向きに生きていく主人公には、勇気と元気をもらえたなと思います。

映画はもちろん良かったのですが、私にとって一番重く響いてきたのは、特典映像の中で作者が日本のファンに対して語っていた言葉でした。
毎日を精一杯 生きて、いい人生にするんだ。
人生は短い。
字幕の文字なので、これだけ読むとインパクトが弱いかもしれないですが、映画を観たあとに、語っている本人の背景を知ってから聞くと、ものすごく強い決意の感じられる言葉でした。

話は変わりますが、つい先ごろ、青島幸夫さんと岸田今日子さんが亡くなり、まだまだ元気で活躍してほしかっただけにとても残念で仕方がありませんでした。また、どの新聞だったか覚えていないのですが、昨年一年間に亡くなった方たちが表になっていて、それを見たとき、つくづく人はいつか死ぬものなのだという厳然たる事実に目を向けざるを得ませんでした。その方たちが若く元気に活躍していた姿が目に浮かび、死んでしまったということがなかなか信じがたいです。それだけ私が年を取っているという意味でもあるんですが…。

そんなこんなで、オスカー・トレスが語った言葉に感じ入ったという次第です。いつ命の灯火が消えるかを知らない私たちは、今を大事にして精一杯生きなければ、死の間際に後悔するに違いありません。年々、月日の過ぎる早さが増していくのを実感する今日このごろ、物事をぐずぐずと先延ばししていたら、何もできずに終わりが来てしまうのは目に見えています。

それぞれ、たった一回きりの人生だと思いますが、その間に「あなたは何の役にも立たなかった」という評価ではなく、何かしら、あるいは誰かしらに貢献できる人生であれば、生まれてきたかいがあるというものです。私も、今さらどうにもならないとあきらめずに、もうちょっとあがいてみようかと思います。

ところで調べたら、この「イノセント・ボイス―12歳の戦場」は、文庫本でも出版されていました。 Amazonのなか見!検索を読んでみると、映画では語られない背景なども扱われ、なかなか読み応えがありそうです。

本はともかく、DVDは戦争を自分の目で見ていない多くの日本人に、戦争が普通の人の暮らしにどれほど恐怖や悲しみを与えるかを実感させるよい映画だと思います。2004年の作品なので、ずいぶん前に観たよという方も多いかもしれませんが、もしまだ観てない方がいらっしゃったら是非お薦めしたい映画でした。

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posted by 野バラ at 19:00 | Comment(1) | TrackBack(2) | 心に感じたこと
この記事へのコメント
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なので、お手数ですが、再度トライしていただければ幸いです。今のところ他の方のTBは問題なく飛んできてるようなので。

ということで、こちらからもTBさせてもらいますね。
Posted by yyz88 at 2007年01月04日 13:21
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イノセント・ボイス 12歳の戦場
Excerpt: 監督:ルイス・マンドーキ原題:Voces inocentes英題:Innocen
Weblog: 見なきゃ死ねるか!聴かなきゃ死ねるか!
Tracked: 2007-01-04 13:23

映画『イノセント・ボイス?12歳の戦場?』
Excerpt: 原題:Voces inocentes 1980年代中南米エルサルバドル、12年間の内戦の真っ只中にあった自分の記憶を脚本にした実話の物語、14歳でアメリカへ亡命したオスカー・トレス ..
Weblog: 茸茶の想い ∞ ?祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり?
Tracked: 2007-01-20 16:49